街にも海にも自転車で。住民として唐津を満喫。

澤田 健太さん

澤田 健太さん

福岡県(東京都出身)唐津市

  • 移住種別Iターン
  • 移住の時期2019年
  • お仕事株式会社九州博報堂 九州しあわせ共創ラボ

元薬問屋の古民家を改装した「CALALI」のカフェスペースの戸を開けると、店主の徳永明寛さんと談笑する澤田健太さんの姿が見られました。澤田さんは東京出身で、転勤のため九州・福岡へ。生活の拠点として選んだのは、隣県・佐賀の唐津です。リモートワークを多く取り入れて、唐津で心地よく暮らしている様子がうかがえます。早朝の海でのSUPを日課にしたり、高速バスで海を見ながら通勤したり、地元の人々と交流したり。そのような日常を重ねるうちに、新しい感性も目覚めたようです。

単身赴任を機に、唐津へ移住

唐津に住まいを移したきっかけは?

転勤で2016年に家族と一緒に福岡に来て生活していました。九州の人のイメージは全体として、優しくて温かい。おもてなし感みたいなものも感じていましたね。 福岡暮らしから数年経った頃、子どもが通う学校のこと、勉強の環境のことを考える時期で、話し合って、妻と子どもたちだけ先に戻ってもらうことになりました。 さて一人でどこに住むか?という時、勤務地のある福岡のままでもよかったんですが、「せっかくなら、もう少し違った環境に住みたい」と考え、いくつかの選択肢の中、海が近くにあって、文化的にも魅力を何となく感じた唐津を選んだんです。自転車で商店街にも海にも行ける環境で暮らしています。

どんなワークスタイルですか?

今は週2日ほど福岡に通勤、週3日くらいがリモートワークですね。広告会社では企画や営業をしていて、九州大学とのSDGsのインターナショナルアワードの運営やSDGs視点の事業開発支援などを担当しています。 はじめは電車通勤でしたが、高速バスもあるよ、と教えてもらってからは、バスを利用しています。博多まで1時間ちょっと。海沿いの景色を眺めながらの通勤は、観光バスさながら。ほぼ遅延もなく着いていますよ。運転手さんの間で連絡を取り合って、事故で渋滞したりすると高速を降りて走ってくれるんです。 バスは22時過ぎまで運行していて、福岡で飲んで帰る場合も、「終バスあるから」と帰れるし、飲みすぎにも気をつけるし。なんだか世の中がシフトしつつある「今っぽい」生活ですよね。

早朝の海で一日をスタート

唐津に住んでよかったことは?

移住者の集まりで、朝の「SUP( Stand Up Paddleboard)」に誘われて、2020年春から参加し始めました。朝5時半に起きて6時に「西の浜」に行くのが日課です。それからバスで会社に行っても間に合う時間。リモートワーク時にも、おかげで強制力をもって起きられています(笑)。 よかったなと思うのは、例えば夏に海に行くだけだと一つの海しか見えないけれど、年間を通してみると、日の出の時間、場所が変わっていったり、自然のいろんな「表情」が見えたりすること。日々、都会にいては気づかないことを感じさせられます。 逆に、自然はこうして変わっているのに、人間はなぜ固定された時間で働いているんだろう?と不思議に思うようになったほどです。

移住者の集まりとは?

唐津への移住を支援するNPO法人唐津Switchの交流会です。移住者が来たときに、身近に話せる人がいる場所をつくっているという感じかな?特別なテーマや出し物がある訳でも、2次会みたいなパーティもなく、一品持ち寄って、ふらっと気軽に参加できるのがいいですね。一人でもいいし、お子さんがいる家族にとっても、病院はどこがいい、とか参考になることがあるかも。 僕をSUPに誘った彼も、もともと移住者で、東京でボート競技ラフティングの日本代表だった人(藤川雄大さん)。同じタイミングで唐津に来ていて、Switch交流会で知り合って誘ってくれたんです。

自然と文化について

唐津の海に10人くらいがバーっと集まって、朝SUPするという文化が生まれている。ここにいると劇的なことが毎日起こる訳ではないけれど、自然が時たま見せる、超キレイっていうタイミングを見逃さずに生活できるといいな、と思います。 住んでから気づいたことですが、唐津は、魚はもちろん、野菜から肉までいろんな生産者さんがいて、唐津焼があって、バランスがいい。一つの市でこれだけ揃っているところって、そんなにないでしょうね。 食材がおいしいから、唐津焼の作家さんも焼きものを作りながらここにいたくなるんだと思いますし、自然をうまく取り入れた文化の魅力についても考えさせられます。

移住計画には「余白」があるといい

これからやりたいことは?

唐津の住民として「住むことを楽しむ」それだけですね。でも、外から来た自分が、「これ、いいですよね」と言うことで、地元の人が当たり前に見てきた地域への視点が変わるきっかけになるといいかな。 自分たちが楽しんでいる雰囲気が伝わって、「唐津にはこんなものもあるんだね」と興味を持つ人が一人でも増えたら、街はもっと面白くなるかも! また、転勤中なので、仮に東京に戻ったとしても、地域でネットワークができたのはありがたいですね。唐津と東京との2拠点生活だって考えられるんじゃないかと思っています。

移住を考えている人にアドバイスを

移住したらこんな風に暮らしたい、と理想やプランを固めてしまわずに、少し伸びしろというか余白を残しておくといいでしょうね。ふわっとした部分を持っておくことで、予想外の出会いに恵まれることもあります。また、メディアリテラシーは高い方がインターネットで現地以外の情報を補ったりできるので、もっと楽しく生活できるはず。 意外な発見ですが、暮らしてみると「規則正しい生活ができるようになる」これもメリットでした!バスや電車の便が少ないから、それに合わせた動きをしている自分がいます。「この1便を逃すと1時間後になる」を不便と感じるのか、少し行動を変えて順応するのか。思考のチェンジも一つのポイントですね。

これが私のお気に入りショット

価値を見直した方がいいと思ってるのは、名護屋城です。
秀吉の大陸への出兵は、当時のスペインやオランダの世界的台頭に対応したものだという歴史解釈が一般的になってきており、日本が世界史の中で一目置かれた場所として、もっと注目されて良いと感じてます。

インタビューを終えて

マリンスポーツに興味があった訳ではないという澤田さん。唐津の海に早朝、しかも1年以上通って、冬もSUPを続けていたと聞いて驚きでした。朝日を浴びながら、四季の移ろいを感じる生活は、彩り豊かだろうな、と私も海のそばで暮らしてみたくなりました。SDGs関連のお仕事を担当されているということですが、澤田さんの今の暮らしぶりが、まさにサスティナブルでワークライフバランスも充実。SDGsの参考になりそうな事例ですね。

取材・文:高橋香歩

公開日:2021年09月15日
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